人や動物の行動を考える上で、「対象となる行動は何なのか」を明確にすることはとても大切です。
対象行動が不明確なままでは、正しいアプローチをするのは困難です。
この記事では
・そもそも行動とはなにか?
・死人テストを用いた対象行動の考え方
をご紹介します。
ヒトや動物の行動の原因を解明し、行動に法則を見出すことを目的とした心理学のひとつ。
医療や介護、スポーツ、ビジネス、教育、家庭など様々な場面で応用されています。
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ケンさん(アニマルトレーナー)
アニマルトレーナー歴15年。
行動分析学を応用した近代トレーニングを実施しています。
「行動分析学は世界をより良くする」と信じ、日々発信しています。
行動とはなにか?
そもそも行動とはなにか?
「行動」という単語を辞書で引くと…
「あることを目的として、実際に何かをすること。行い。」
とあります。
行動分析学でいうところの「行動」とは、筋肉系の活動の他にも「喋る」「笑う」「泣く」「考える」といった、死人にはできないこと全てをいいます。
死人にはできないこと全て
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死人テストとは
死人テストとは、「死人にもできることは行動ではない」ということです。
死人テストをパスできない活動は行動ではありません。
例えば「叩かれる」というのは行動ではありません。
死人はいつでも簡単に叩かれますからね。
このように
・受け身(〜される)
・状態(〜している)
・非行動(~しない)
というのは行動ではありません。
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具体例
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うちの子ったら何度言っても宿題をやらないの!
対象行動は「宿題をしない」でいいのよね!?
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「宿題をしない」というのは死人にもできますから行動ではありません。
一見すると「宿題をしない」という行動が強化されているというように見えますが、この場合は「宿題をする」という行動が弱化(あるいは消去)されていると考えます。
強化・・・行動の生起瀕度が増えること
弱化・・・行動の生起瀕度が減ること
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部下に無視される…
これって「無視」という行動が強化されてるってこと?
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これも行動ではありませんね。
「無視」は死人の得意技ですから!
これは部下の「あいさつ」や「目を合わせる」という行動が弱化(もしくは消去)されている、と考えることができます。
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まとめ
人や動物の行動を考えるときは、まずはその行動は死人テストをパスするのかに注目しましょう。
そして行動は出来るだけ具体的に抜き出すことが大切です。
行動を正しく理解して行動分析学を使いこなしましょう!
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