人間や動物の行動に影響を与える嫌子。
その個体の嫌いなもの(出来事)
この嫌子には生得性と習得性の2種類があります。
行動の出現頻度に直結する嫌子が、生得性なのか習得性なのかを理解することは非常に大切です。
とりわけ習得性嫌子に関しては、注意しなければその機能が低下します。
この記事では、生得性嫌子と習得性嫌子をわかりやすく解説します。
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ケンさん(アニマルトレーナー)
アニマルトレーナー歴15年。
行動分析学を応用した近代トレーニングを実施しています。
「行動分析学は世界をより良くする」と信じ、日々発信しています。
生得性嫌子とは
生得性嫌子とは読んで字のごとく、生得的に、つまり生まれながらにして嫌子としての機能をもつ刺激や出来事のことです。
具体例を挙げるなら、痛みや大きな音、苦みなどがあります。
生物が生きるために回避しなければならないものが生得性嫌子として遺伝子に組み込まれている、と考えられてます。
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習得性嫌子とは
習得性嫌子とは、他の嫌子と対提示されることで、嫌子の機能を持った刺激や出来事のことです。
二次性嫌子や条件性嫌子とも呼ばれます。
中性刺激(好子でも嫌子でもない刺激や出来事)と他の嫌子を一緒に提示すること
例えば、多くの人にとって「電話の音」というのは中性刺激です。
ですが、借金取りに返済を迫られている人とって、電話の音は嫌子でしょう。
なぜなら電話の音が返済の催促、あるいは怒号と対提示されているからです。
中性刺激が嫌子(または好子)と対提示されることで習得性嫌子(または習得性好子)になることを価値変容の原理といいます。
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習得性嫌子の注意点
習得性嫌子には、注意しなければいけないことがあります。
それは、習得性嫌子として機能するためには、他の嫌子と対提示され続けなければいけないということです。
この元々の嫌子は、習得性嫌子の機能を裏付けるという意味で、裏付嫌子またはバックアップ嫌子と呼ばれます。
裏付嫌子の提示を止めてしまえば、習得性嫌子の機能も低下します。
いつも小言を言ったり、怒ったりしていても、本人になんら実害がないとなれば、効力はどんどん低下し、聞き流されることになるでしょう。
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