【行動分析学】動物と対話をするには?-ブリッジの必要性-

行動分析学・動物
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みなさんは「ブリッジ」という言葉を聞いたことはありますか?

ブリッジとは、習得性好子(二次性強化子、条件性強化子)のことです。

行動分析学を勉強している方や、動物のトレーニングをされている方は、耳にしたことがあるかもしれません。

今回のブログでは、ブリッジの必要性について説明していきたいと思います。

ケンさん(アニマルトレーナー)
アニマルトレーナー歴15年。
行動分析学を応用した近代トレーニングを実施しています。
「行動分析学は世界をより良くする」と信じ、日々発信しています。

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ブリッジとは?

冒頭でもお伝えした通り、ブリッジとは習得性好子(二次性強化子、条件性強化子)のことです。

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行動分析学では、行動の直後に好子を与えることで、その行動の頻度が増えると考えます。

好子

その個体の好きなもの(出来事)

例えば、「お手」の行動の直後に、おやつを与えると、犬はお手を頻繁にするようになります。

この時、おやつが好子となります。

しかし、常におやつをすぐに与えられるとは限りませんよね。

そこで、おやつなどの好子を与える前に、「それは良い行動ですよ」という合図を送ります。

この合図がブリッジです。

ちなみに、ブリッジとは「橋をかける」=「動物と人との架け橋」という意味です。

ブリッジの例

イルカのトレーナーはブリッジとして笛を使用し、ドッグトレーナーはクリッカーやボイスをブリッジとして使用しています。

イルカのトレーナーが実際に使っているホイッスル

ブリッジとして使用するものは、動物に伝わりやすい音が良いでしょう。

なぜブリッヂが必要なのか?

ブリッヂは即時強化をするために必要です。

即時強化とは、望ましい行動の直後に好子を与えることで、動物は「この行動をすると良いことが起きる」と学習します。

しかし、良い行動の直後にすぐに好子を与えられない場合もありますよね。

例えば、芸を披露する時間が決まっている場合や、望ましい行動がトレーナーから離れたところ起きた場合、また、動物の体調によってはすぐに好子を与えられない場合もあるでしょう。

そのような場合に、「良い行動ですよ」という合図であるブリッジを入れることで、一次性好子と同等の効果が期待できます。

ブリッジを成立させる「対提示」

ブリッジは、中性刺激と好子を対提示することで成立します。

対提示とは、2つの刺激を同時に提示することです。

例えば、犬に「お手」を教える場合、

  1. 「お手」の行動をさせる
  2. 「グッド!」と声をかける(ブリッジ)
  3. おやつを与える(好子)

という流れになります。

この時、「グッド!」という声かけ(ブリッジ)と、おやつ(好子)を対提示することで、「グッド!」という声かけが習得性好子として機能するようになります。

人の社会でのブリッジ

ブリッジは動物に対してだけ有効なものではありません。

実は、私たち人間の社会でもブリッジは存在します。

例えば、会社で上司に「君すごいね!」と褒められたとします。

褒められた部下は「頑張ってよかった」と思い、さらに仕事を頑張ろうという気持ちになります。

この時、上司の「君すごいね!」という言葉がブリッジにあたります。

注意すること

ブリッジは好子とセットでなければ意味がありません。

強化をするつもりのないブリッジは、動物にも人にも見抜かれてしまいます。

中途半端なブリッジは、相手を混乱させる原因にもなりますので、注意が必要です。

まとめ

今回はブリッジの必要性について説明しました。

ブリッジは、動物や人と良好なコミュニケーションをとるために、とても有効な手段です。

今回の内容を参考に、ブリッジを有効活用してみて下さい。

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