「ABC分析」は、私たちの行動をより深く理解するために重要な考え方です。
特に問題行動の原因を特定し、改善策を立てる際に非常に有効な方法として知られています。

ケンさん(アニマルトレーナー)
アニマルトレーナー歴15年。
行動分析学を応用した近代トレーニングを実施しています。
「行動分析学は世界をより良くする」と信じ、日々発信しています。
行動分析学とは
ヒトや動物の行動の原因を解明し、行動に法則を見出すことを目的とした心理学のひとつ。
医療や介護、スポーツ、ビジネス、教育、家庭など様々な場面で応用されています。
ABCのそれぞれの文字は、以下の意味を持ちます。
- A: Antecedent(先行条件)
- 行動が起こる前の状況や出来事、つまり「きっかけ」にあたります。
- 例えば「夕飯時になると」や「特定の人と話すとき」などが挙げられます。
- B: Behavior(行動)
- 注目している行動そのものです。
- 例えば「手を叩く」や「泣く」などが挙げられます。
- C: Consequence(結果)
- 行動の結果として得られるもの、つまり「結果」にあたります。
- 例えば、「注目される」や「褒めらえる」などが挙げられます。
問題行動にABC分析を当てはめてみよう
例えば、ある子供が授業中に何度も席を立つという問題行動があるとします。
この場合、ABC分析は以下のようになるかもしれません。
- A: 先行条件
- 難しい問題が出されたとき
- 友達と遊びたくなったとき
- B: 行動
- 席を立つ
- C: 結果
- 先生から注意される
- 友達と遊べる
この分析から、この子は難しい問題から逃れるため、あるいは友達と遊びたいという欲求を満たすために席を立っているということがわかります。
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ABC分析が問題行動解決に役立つ理由
- 原因の特定ができる: 問題行動が起こる前の状況と、その行動によって得られる結果を特定することで、問題行動の原因をより深く理解することができます。
- 効果的な介入策の立案が可能: 原因がわかれば、その原因を取り除いたり、別の行動を強化したりすることで、問題行動を改善することができます。
- 行動の機能を理解できる: 行動がどのような機能を果たしているのか(例えば注目を得るや逃げるなど)を理解することができます。
ABC分析の応用範囲
ABC分析は、様々な場面で応用されています。
- 教育現場: 子供の問題行動の原因を特定し、適切な支援を行う。
- 臨床心理学: 患者さんの問題行動の原因を特定し、治療計画を立てる。
- 職場: 組織内の人間が起こす問題行動の原因を特定し、改善策を講じる。
- ペットのしつけ: ペットの問題行動の原因を特定し、適切な訓練を行う。
ABC分析を行う上での注意点
- 客観的な記録をする: 行動をできるだけ客観的に記録することが重要です。
- 多角的な視点をもつ: 同じ行動でも、状況や結果によって異なる機能を持つことがあります。
- 専門家のサポートも考える: 複雑な問題行動の場合は、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。
まとめ
ABC分析は、問題行動の原因を特定し、改善するための非常に有効なツールです。
この分析方法を活用することで、自分自身や周囲の人々の問題行動に効果的に対処することができます。
ABC分析を始める際のヒント
- 行動を具体的に掴む: 改善したい行動を具体的に決める。
- 記録用紙を用意する: A、B、Cの欄を設けた記録用紙を作成する。
- 一定期間記録する: 少なくとも数日間は記録を続ける。
- パターンを見つける: 記録した内容から、行動のパターンを見つけ出す。
ABC分析は、一見難しそうに思えるかもしれませんが、一度慣れてしまえば日常生活の中で様々な場面で活用できる便利なツールです。
ぜひ、あなたの身近な問題解決に役立ててみてください。
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