動物園・水族館は「かわいそう」なのか?現場のトレーナーが語る、動物たちとの本当の向き合い方

行動分析学・動物
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SNSやネットニュースで、動物園や水族館に対して

「狭い場所に閉じ込められてかわいそう」

「人間のエゴではないか」

という声を目にすることが増えました。

動物を愛するがゆえの優しい気持ちからくる言葉だと思いますが、実はその「かわいそう」という視点だけでは見えてこない、動物たちの生命のリアルがあります。

今日は、日々現場で動物たちと体温を感じながら向き合っているトレーナーの視点から、多くの方が抱きがちな「3つの誤解」についてお話しします。

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「狭い場所 = 不幸せ」という誤解

野生動物は広大な大地を移動しますが、それは「走りたいから」ではなく、生きるために「移動せざるを得ないから」です。

餌を探し、天敵から逃れ、繁殖相手を探す……

野生は常に命がけの過酷な環境です。

一方で、飼育下では「安全・食事・医療」が保障されています。

私たち飼育員の役割は、ただ閉じ込めることではなく、「移動が必要のない環境」でいかに動物の心身を刺激し、退屈させないかにあります。

これを「環境エンリッチメント」と呼び、パズル感覚で餌を探させたり、知的なトレーニングを行ったりすることで、動物たちのQOL(生活の質)を高める工夫を毎日積み重ねています。

【プロの視点をもっと深く知るための一冊】 感情論ではなく、科学的なデータや行動学から動物を理解したい方は、この一冊。

「ショーやトレーニング = 強制」という誤解

「餌で釣って芸をさせている」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、現代のトレーニングの主流は、「正の強化」をもちいた、いわば褒めて伸ばすトレーニングです。

一日の給餌量は決まっていて、トレーニングがうまくいかなかったからといって絶食させるなどといったことはありません。

また、動物の健康管理のために行っている、受診動作訓練(ハズバンダリートレーニング)も非常に大切です。

例えば、動物が自ら進んで採血をさせてくれたり、口を開けて歯検診をさせてくれたりすること。

これは、動物にストレスをかけずに長生きしてもらうための「対話」です。

動物にとってトレーニングは、精神的な刺激を与えるために必要不可欠な「脳のスポーツ」であり、トレーナーとの信頼関係を築く大切なコミュニケーションの時間でもあります。

【家庭でもできるエンリッチメント】 園館の動物も、家庭のペットも「退屈」が一番の敵です。プロが現場で使う考え方を家庭でも。この知育玩具は、動物の自発性を引き出すのに最適です。

「園館がなくなれば野生動物は救われる」という誤解

「野生のものは野生に返すべきだ」という意見もあります。

しかし、今この瞬間も、野生の生息地は開発や気候変動で失われ続けています。

動物園や水族館は、いわば「野生を覗く窓」です。

目の前で本物の動物を見て、その息遣いや大きさに圧倒される体験がなければ、多くの人は「遠い国の絶滅の危機」を自分事として捉えることはできません。

私たちは、この「窓」を守ることで、次世代を担う子供たちの心に、自然保護への種をまいています。

万が一の時に最善の医療を受けさせてあげる準備と同様、この「啓発」こそが、私たちが今できる最大の責任だと考えています。

最後に:もっと深く「現場の本音」を知りたい方へ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

このブログでは、一般的に誤解されやすいポイントを冷静に解説してきましたが、実は現場で働く人間として、もっと切実で、時には怒りにも似た強い思いを抱えることもあります。

  • 「動物の権利」を叫ぶ人々が、現場の何を見落としているのか?
  • なぜ「擬人化」して語ることが、動物たちにとって不利益になるのか?
  • アンチ活動の裏側に透けて見える「ビジネス」の正体とは?

より踏み込んだ「現場のリアルな思想」や、プロとしての厳しい意見については、noteにてさらに詳しく、偽らざる本音を綴っています。

少し過激な内容も含まれますが、「綺麗事ではない動物の未来」を本気で考えたい方は、ぜひこちらの扉を開けてみてください。

👉 動物の「代弁者」を気取る偽善者たちへ。現場のトレーナーが抱く、どす黒い違和感の正体

動物の「代弁者」を気取る偽善者たちへ。現場のトレーナーが抱く、どす黒い違和感の正体|ケンさん/アニマルトレーナー
毎日、動物のお世話をして、体調のわずかな変化に一喜一憂し、文字通り「命」を削って向き合っている私たち飼育員やトレーナー。 一方で、モニター越しに、あるいは柵の外から数分眺めただけで「かわいそう」「自由がない」と断じる人々がいます。 彼らは自...
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