【行動分析学】弁別刺激と条件刺激の違いとは?

行動分析学・動物

皆様、こんにちは!

アニマルトレーナーのケンさんです。

今回は行動分析学において、よく混同されがちな「弁別刺激」と「条件刺激」について、その違いとそれぞれの役割を詳しく解説していきます。

ケンさん(アニマルトレーナー)
アニマルトレーナー歴15年。
行動分析学を応用した近代トレーニングを実施しています。
「行動分析学は世界をより良くする」と信じ、日々発信しています。

行動分析学とは

ヒトや動物の行動の原因を解明し、行動に法則を見出すことを目的とした心理学のひとつ。
医療や介護、スポーツ、ビジネス、教育、家庭など様々な場面で応用されています。

弁別刺激とは

弁別刺激とは、特定の行動を引き起こす刺激のことです。

どういうことかというと、ある刺激が出現すると、それに伴って特定の行動が出現するという関係性が成立している状態です。

  • 例:
    • 授業開始のベル:授業開始のベルが鳴ると生徒は席に着きます。つまりこのベルは席に着くという行動を引き起こす刺激になっているといえます。
    • スマホの通知音:私たちはスマホの通知音を聞くとスマホをチェックしますよね。つまりスマホの通知音はスマホを見るという行動を引き起こす刺激になっています。

この弁別刺激はオペラント条件付けという手続きを経て確立します。

オペラント条件付けとは、ある行動の直後に好子や嫌子を提示することで、その行動の生起頻度を変化させる手続きのことです。

好子…その個体が好きなものや出来事
嫌子…その個体が嫌いなものや出来事

授業開始のベルが鳴った時に席に着いていれば怒られることはないし、スマホの通知音が鳴った時にスマホを見ると何らかの変化がありますよね。

条件刺激とは

条件刺激とは、レスポンデント条件づけという手続きの結果、確立する刺激のことです。

レスポンデント条件づけとは、中性刺激が無条件刺激と対提示されることで、その中性刺激が条件刺激となり、無条件反応を引き起こすようになるという現象です。

  • 例:
    • 借金取りからの電話:電話の音(中性刺激)が、怒号…つまり恐怖(無条件刺激)と対提示されることで、電話の音を聞いただけで体が硬直したり汗が出る(無条件反応)ようになる。これは電話の音が条件刺激となっているといえます。

条件刺激は、中性刺激が別の刺激と結びつくことで形成されるという点で、弁別刺激とは異なります。

弁別刺激と条件刺激の違い

弁別刺激と条件刺激はまず、それぞれの刺激が確立していく過程が違います。

そして弁別刺激が引き起こす行動はオペラント行動、条件刺激が引き起こす行動はレスポンデント行動です。

特徴弁別刺激条件刺激
学習の仕組みオペラント条件づけレスポンデント条件づけ
役割特定の行動(オペラント行動)を引き起こす無条件反応(レスポンデント行動)を引き起こす
結びつき行動と結果刺激と反応
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まとめ

弁別刺激と条件刺激は、どちらも学習において重要な役割を果たす刺激ですが、その性質や結びつく対象が異なります。

  • 弁別刺激: 行動と結果を結びつけ、オペラント行動を引き起こす。
  • 条件刺激: 刺激と反応を結びつけ、レスポンデント行動を引き起こす。

これらの概念を理解することで、行動がどのように形成され、どのように変化していくのかをより深く理解することができます。

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